四十肩・五十肩

症状

四十肩(五十肩)は、肩関節の痛み、可動域制限(動きの悪さ)が主な症状です。

四十肩(五十肩)は正式には肩関節周囲炎といい、肩関節の周りの組織に炎症が起きた状態を言います。

軽度では肩関節を動かすと痛みが出る程度ですが、炎症が強くなると、ジッとしていてもズキズキと疼いたり、夜も痛みで眠れなくなる事もあります。

髪を洗ったり、着物の帯やエプロンを後ろで結ぶ動作などに制限がかかる場合があります。

痛みが出ると、関節を動かさなくなり、炎症がおさまる頃には肩関節の周囲の組織は萎縮し、肩関節の拘縮という状態になります。

肩関節の拘縮は、関節の運動に大きく制限がかかった状態です。

放置していて、何年か経ったら自然に良くなる場合もありますが、放置して悪化したり、改善しなかったりという場合もありますので、出来るだけ早期の治療をおすすめしています。

原因

肩関節の問題としては、

  • 腱板断裂(部分断裂、完全断裂)
  • 関節包や滑液包の炎症、癒着
  • 腱の炎症
  • 石灰沈着性腱板炎

などがあります。

加齢、オーバーワーク(使いすぎ)、運動不足など原因は様々です。

肩関節は上腕骨と肩甲骨で関節されていますが、上腕骨と肩甲骨の関節面は小さく不安定です。

不安定な関節を支えるために、筋肉や腱が大きな役割を担っており、負担がかかりやすい構造になっていることも炎症を起こしやすい原因の一つです。

​最近では、長時間のパソコン、スマホで肩関節周囲炎を発症している方も多いです。

予防と対策

四十肩・五十肩にならないようにするためには、日常から関節を十分に動かす事で関節周囲の組織の血液の流れを良くしておく必要があります。

長時間のパソコン、スマホなどは肩関節の一部の筋肉に負担をかけ続けてトラブルの一因になります。

お仕事などで、どうしても長時間パソコンをしなければいけない場合は終わってからしっかりと肩関節を動かす事が必要です。

肩関節の運動に関しては、よく肘をまげた状態で腕をぐるぐる回してる方がいらっしゃいますが、それでは不十分です。

​肩関節は、いろいろな方向に動く事が出来る関節ですので、動く方向によって使う筋肉が変わります。​​​​

​そのため肩関節を十分に運動する場合は様々な動きを関節の動く範囲いっぱいに行う必要があります。

  • ​腕を前方から挙げる
  • 腕を後方に挙げる
  • 腕を外側に挙げる
  • 腕を前方に90度挙げた状態から反対の肩の方に動かす
  • 腕を前方に90度挙げた状態から外側に動かす
  • 腕を外側に捻る
  • 腕を内側に捻る

​この他にも動かして筋肉が引っ張った感覚がある、痛みが出る角度を探して、そこを重点的に動かし関節周囲の組織が硬くならないように注意する事が必要です。

​施術を受ける

四十肩(五十肩)への施術は、症状の原因となっている筋肉に圧迫・摩擦・伸長刺激をくわえる事で筋肉の血流を改善し痛みや動きの悪さなどの症状の改善を目指します。

関節包や滑液包などの癒着を疑う場合は、関節モビラーゼーション(関節を動かす)を行います。

炎症期という肩の炎症が強くなっていく時期には、炎症が早期におさまるように血流を改善を行い、拘縮期という関節が硬くなった時にはモビライゼーション含め、関節の運動療法を行います。

肩の炎症が強くなると、ジッとしていてもズキズキ痛んだり、夜も痛みで眠れないなど、日常生活を大きく制限してしまいます。

また拘縮がひどくなれば、改善するのにかなりの月日を要します。

それらのリスクを軽減するため、肩関節の痛みは軽度でも放置せず早めに対処をしていきましょう。

そうすることで、ケアにかかる精神的負担、時間的負担、経済的負担を軽減することができ、スッキリした意欲的な日々を過ごせるようになります。

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