肩こり(首こり)・寝違え
症状
肩こり、首こりの主な症状は肩や首周辺の痛みや重だるさです。
ひどくなると、
- 首が動かなくなる
- 頭痛
- 目の奥の痛み
- めまい
- 難聴
- 歯痛、歯茎の腫れ
- 腕のしびれ
- 手の冷え
- 吐き気、嘔吐
- 呼吸がしにくい
など様々な症状が出る事があります。
寝違えは、朝起きて突然首が強い痛みにより動かなくなる状態をいいます。
原因
肩こりや首こりの「こり」というのは筋肉が疲労し、血流が悪くなった状態です。
血流が悪くなると組織は酸素不足、栄養不足の状態になります。
酸素不足、栄養不足になると「だるさ、重さ」の原因になり、発痛物質が産生されると「痛み」が生じます。
肩や首には多くの筋肉が存在し、その主な働きは重力に対して頭部を保持することです。
頭は4〜5キロの重さがあると言われていますので、日常生活においてパソコンや育児、家事など下を向く作業時間が長い方の首や肩の筋肉は疲労がたまりやすくなります。
基本的に疲労は運動により筋肉を伸縮させる事で流していくのですが、運動が不足すると疲労はたまる一方になり筋肉がどんどん悪くなってしまいます。
筋肉が悪くなっているのに、気づかなかったり放置していたら、日常のちょっとした動作や寝返りなどにより筋肉や筋膜に炎症を起こしやすくなります。
これが寝違えや急性のぎっくり首の原因になります。
また精神的ストレスも筋肉を緊張させる要因です。
過度のストレスは自律神経に影響して筋肉を緊張させてしまいます。
- デスクワークなどで座り時間が長い
- 下を向く姿勢が多い
- 過度のストレス環境にある
- 歯の食いしばりや歯ぎしりがある
- エアコンの冷たい風を直接浴びる
などは、肩、首の筋肉が緊張する原因になります。
また、肩こり、首こりの症状を出す骨・関節の病気として
- 頸椎症
- 頸椎椎間板ヘルニア
などがあります。
身体の使い方や加齢によって、首の骨、関節部、椎間板に負担がかかり、痛みやしびれの原因になります。
対策と予防
肩こり、寝違えともに対策と予防で最初に考えることは、同じ姿勢でいる時間をできるだけ短くするということです。
同じ姿勢を短くしても症状が取れない、お仕事などでどうしても同姿勢を続けなければならないという場合は運動療法を行います。
運動療法は一定時間、筋肉を伸縮させ続ける事によって筋肉から疲労物質を排出します。
ストレッチをしてる方は多いですが、ストレッチは筋肉を伸長する動きのみになるため、軽度の疲労であれば排出されますが、何時間も同姿勢を続けて疲労のたまりきった筋肉には不十分な事が多いです。
また筋トレに関しても、負荷をかけた運動は関節運動(筋肉の伸縮)の回数が少なくなってしまうため、筋肉から疲労物質を排出するには不十分な事が多いです。
数ある筋肉の中から問題ある筋肉をしっかりストレッチ、筋力トレーニングするというのは、専門的な知識も必要ですし、時間もかかってしまいます。
そこで当院でおすすめしている運動療法は有酸素運動(ウォーキングやジョギング)です。
有酸素運動は最低30分間行います。
スピードは遅くても、距離は短くても構いません。
とにかく30分以上の有酸素運動を行います。
ジョギングであれば普通に走ってもらって大丈夫ですが、ウォーキングでは「歩幅」大切になります。
歩幅が狭いとせっかくの有酸素運動は股関節から下がメインになり、上半身の筋肉はあまり動きません。
肩や首の筋肉を伸縮させるためには、しっかりと歩幅を大きく取り、大きな動作で歩行する事で背骨周りから首にかけての回旋運動を利用することが重要になります。
施術を受ける
・同じ姿勢の時間を減らしたけど症状が取れない
・運動療法もしっかりやってみたけど症状が取れない
・仕事でどうしても同姿勢の時間を減らすことができない
・とにかく運動が苦手で運動療法を続けることができない
といった場合には、プロの施術を受けて筋肉や筋膜の状態を改善していくという事をおすすめします。
筋肉や筋膜がこった状態、痛い状態を放置すると首の関節の動きを制限するようになってきます。
首の動きに制限がかかってしまうと、首や肩の組織は血流不足になり酸素、栄養不足になります。
そうなると頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症などといった、骨、関節の病変のリスクが高まり、状態が悪くなると手術が必要になることもあります。
それらのリスクを軽減するため、首や肩の疲れは放置せず早めに対処をしていきましょう。
そうすることで、ケアにかかる精神的負担、時間的負担、経済的負担を軽減することができ、スッキリした意欲的な日々を過ごせるようになります。