腰痛・ぎっくり腰
症状
腰痛は日本人が自覚する症状の中で最も多い症状です。
腰痛の症状には
- 腰の痛み
- 背中の痛み
- 臀部の痛み
- 腰から足にかけての痛み、しびれ(坐骨神経痛)
などがあり、
- 朝起きた時や寝返り
- 同じ姿勢で長時間過ごしていた
- 重たい荷物を持ち上げた
などのケースに痛みが生じることが多いです。
原因
腰痛の原因は急性腰痛(ぎっくり腰)、慢性腰痛によって異なります。
急性腰痛(ぎっくり腰)は、偏った日常動作や悪い姿勢などにより、背骨周りの筋肉や臀部周辺の筋肉が疲労し、硬くなり、そこに急激な筋肉の収縮(重たい荷物を持ち上げるなど)が働いた時に起こります。
筋肉の状態が著しく悪い場合には、後ろを振り向く、せき、くしゃみなどの些細な動作でも起きることがあります。
慢性腰痛は腰部、腹部、背部、臀部、足の筋肉が疲労で血流不足になり、発痛物質が産生する事によって痛みが生じます。
長期の痛みになると、痛む部分を動かさなくなり、そこの筋肉は萎縮し、関節の動きを制限します。
すると良い姿勢を維持する事が難しくなり、日常生活における体の負担は一部に偏ります。
そうなると、負担のかかった筋肉は疲労し、痛みはさらに増大し、動かさなくなるという慢性痛の悪循環が始まります。
腰部の骨や関節の病気では、
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰椎圧迫骨折
- 腰椎分離すべり症
- 脊柱側湾症
などが腰痛の原因になります。
これら骨や関節の病変による痛みと共に、筋肉・筋膜が原因の痛みが一緒に出てくる事もあります。
病院でこれらの診断を受けていても、筋肉・筋膜へ施術を行う事で、症状の改善が期待できます。
デスクワークなどは、一見動きが少ない動作で疲労は少ないんじゃないかと思われるかもしれませんが、腰部や背骨の周りの筋肉は体を支えるため、姿勢を維持するために働き続けています。
同じ姿勢で長い間いる事で、背骨や腰部の筋肉は疲労を起こします。
基本的には、日常生活でたまった疲労は筋肉を運動する事で軽減します。
運動不足になると疲労物質の排出が困難になる事が多いので注意が必要です。
予防と対策
急性腰痛、慢性腰痛どちらにも言える予防は、疲労のコントロールです。
日々の生活での疲労の原因となる動作を改善し、それでもたまった疲労を排出するために筋肉を伸縮させる運動療法を行わなければなりません。
運動療法は一定時間、筋肉を伸縮させ続ける事によって筋肉から疲労物質を排出します。
ストレッチをしてる方は多いですが、ストレッチは筋肉を伸長する動きのみになるため、軽度の疲労であれば排出されますが、何時間も同姿勢を続けて疲労のたまりきった筋肉には不十分な事が多いです。
また筋トレに関しても、負荷をかけた運動は関節運動(筋肉の伸縮)の回数が少なくなってしまうため、筋肉から疲労物質を排出するには不十分な事が多いです。
数ある筋肉の中から問題ある筋肉をしっかりストレッチ、筋力トレーニングするというのは、専門的な知識も必要ですし、時間もかかってしまいます。
そこで当院でおすすめしている運動療法は有酸素運動(ウォーキングやジョギング)です。
有酸素運動は最低30分間行います。
スピードは遅くても、距離は短くても構いません。
とにかく30分以上の有酸素運動を行います。
ジョギングであれば普通に走ってもらって大丈夫ですが、ウォーキングでは「歩幅」大切になります。
歩幅が狭いとせっかくの有酸素運動は股関節から下がメインになり、上半身の筋肉はあまり動きません。
肩や首の筋肉を伸縮させるためには、しっかりと歩幅を大きく取り、大きな動作で歩行する事で背骨周りから首にかけての回旋運動を利用することが重要になります。
ウォーキングの後に股関節周りの筋肉のストレッチなども合わせて行えば、さらに効果的です。
またぎっくり腰などで出た急性痛を放置していると、それが慢性痛に移行する事があります。
ぎっくり腰が生じた場合は、速やかに痛みを改善させる事が重要です。
施術を受ける
・同じ姿勢の時間を減らしたけど症状が取れない
・運動療法もしっかりやってみたけど症状が取れない
・仕事でどうしても同姿勢の時間を減らすことができない
・とにかく運動が苦手で運動療法を続けることができない
といった場合には、プロの施術を受けて筋肉や筋膜の状態を改善していくという事をおすすめします。
筋肉や筋膜がこった状態、痛い状態を放置すると体幹や股関節の動きを制限するようになってきます。
体幹や股関節の動きに制限がかかってしまうと、腰や股関節周囲の組織は血流不足になり酸素、栄養不足になります。
そうなると腰椎椎間板ヘルニアなどの、骨、関節の病変のリスクが高まり、状態が悪くなると手術が必要になることもあります。
それらのリスクを軽減するため、腰や臀部、足の疲れは放置せず早めに対処をしていきましょう。
そうすることで、ケアにかかる精神的負担、時間的負担、経済的負担を軽減することができ、スッキリした意欲的な日々を過ごせるようになります。